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マトゥ 兄やん
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堀内都喜子『フィンランド 豊かさのメソッド』読んだ
2009-09-12 Sat 23:50
来年度の税金に怯える兄やんです。
本の話。

当著はフィンランドの大学院で勉学を積み、そこで生活した日本人女性によるフィンランド体験記である。待てぃ、なぜ僕はフィンランドを知りたがるのか。それは、「フィンランド・メソッド」と呼ばれ、ちょっと前に教育界で話題となった方式を概観してみたかった結果であります。で、読んだ。

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『フィンランド 豊かさのメソッド』(集英社新書 2008年)

といっても、当著は教育の諸相に特化されたものではなかった。失業率20%という最底辺の経済状況から復興へと導いたフィンランドの対策、そして著者の留学、社会人経験から得られた文化、日常生活などなど幅広く、飾られることのないフィンランドの現状が報告されておる。特にフィンランド男性の尻込みトピックやDIY精神のトピックなどは十分に面白く、当初の僕の目的であるフィンランド・メソッドの概観とは異なったとしても、一気に読まさせてもらいました。

だが、タイトルである「メソッド」つまり方法論が示唆的段階に留まっているのにはがっかり。20%という未曾有の失業率、そして教育の項かどこかでさらっと言及していた中高生の素行不良問題など、フィンランドの「豊かさ」との、いくつかの矛盾が浮かぶ。もう少し踏み入れた見解あるいはレファレンスが載せられていると良いのだが、著者は自ら専門家ではないと本著冒頭で先手を打っているので何とも言おうがない。当著は「地球の歩き方」程度の感覚で読むのがいいと思う。

ということで、当該の関心事であったフィンランドの教育事情についての詳細は伺い知れなかった。他の本を読んでみるか。

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村上春樹『意味がなければスイングはない』読んだ
2009-09-08 Tue 23:21
ゼーレが黙っちゃいないってさ。兄やんです。
今日は読書の話。

夏期休暇を活用しての読書籠り、迎えてみればエヴァンゲリオンやらドラクエ9やらの不可抗力により読了ペースが遅い。それでも何冊か読み終えたのでレビューを綴ろう。その一発目が村上春樹のエッセイ。

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『意味がなければスイングはない』(2005年 文藝春秋)

これ「音楽評論」ではなく「ある作家が好きなものを放題に綴ったエッセイ」と位置づけたほうがよさそうです。まあ評論ではなくエッセイなのだから自明のことなのだけど。

「音楽を語る」というのは大きく作品自体=音を評論する切り口と、そのミュージシャンのルーツ=人格やバックグラウンドを紐解くという切り口で二分化されるものだと思うのだが、氏はバランスよく両側面から、計10の音楽家について持論を展開している。

まず、文献を丁寧に咀嚼し構成していく氏の要領の良さは相変わらずなのだと脱帽する。さらに、村上春樹のウリでもある、簡明かつ独創的な筆致は、ジャズを知らない僕でさえ、その世界に惹き込む力がある。僕は紹介されるミュージシャンのほとんどは知らない。が、この著の最大の称賛は、60年代カウンター・カルチャーの中で感性を育み、神がかり的なセンスと教養でその感性に肉付けを施した、村上春樹という人物が描く、熱い持論10編そのものにある。本当に音楽が好きなのだな、この人。

勿論、読み手がジャズに傾倒していれば本著の楽しみ方も変わってくるだろうが、無理に予習など必要ないです(というか音楽は娯楽物なので、「予習」という概念など、そのものがないだろう)。これはひとつの随筆としてすんなりと読め、抵抗なくひざを打って本著を閉じられます。加えて、音を奏でる人の背景そして人格に辿り着くことは「音楽」を嗜むもうひとつの要素なんだろうと、あらためて考えさせられました。いい本を読んだな。

今回読了した村上春樹もそうだが、加藤亮太や久保憲司など、音楽畑に居を構えない人物が手がける音楽エッセイはやっぱり好きだなあ。こういうエッセイをもっと読んでみたい。
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畑仲哲雄『新聞再生』読んだ
2009-03-11 Wed 23:02
ブログって何かね。あ、これがそうか。兄やんです。
更新頻度もグッと下がりつつ、今日は読書の話。

読売新聞の書評に掲載された書、この「再生」というタイトルに惹かれたので恐れ多くも拝読した。

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著者は共同通信社に勤める記者である傍ら、大学院でマスメディアを研究されている方だそうで、当著は修士論文をリバイズしたものだそうだ。つまりこの本はマスメディア業界の当事者が、アカデミックな視点と手法で執筆した一つの論文であり、個人的にはどの程度まで業界内部を批評的に晒すのかに興味が沸いた。

実に「新聞業界が危機だぜ」と問えば、「今のご時世、媒体が紙からネットに移行するからだ」という反応は安易に想定できる。厳しい新聞業界の現状を氏は刻々とリポートし、実例として挙げている地方新聞社の休刊、そして復興への苦悩と挫折という絶望的事実から、敢えてジャーナリズムの未来と活路を探っている。

一貫して氏は、小規模なマスメディアの多様化によって市民が主体となる言論空間の形成を促す社会、というものを望んでいるようです。そのモデルとして米国パブリック・ジャーナリズムを氏は挙げているわけだが、この肝心なところがよう分からんかった。だがブログの特権である「知ったか」を言わせてもらえば、市民によるリアルな議論の場の構築を担うことが、まさにこれからの新聞およびマスメディアの使命なのだということでしょうか。難解な箇所もありつつも、僕にとっちゃえらい勉強になったわけです。新聞研究についてもう少し読み込んでみようか。

余談だが、いちおう論文を書く側にいる僕としては、論文仕立てにして書かれると読み易く感じるのは、これすなわち積み重ねられた長所か短所か。うむむ。
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『月刊 風とロック』2月号 読んだ
2009-02-10 Tue 00:33
時制のタイムトラベル兄やんです。
今日は雑誌の話。

月刊「風とロック」をご存知だろうか。この雑誌、一種のフリーペーパーなのだが、近年ではその人気とともにページ数も倍増、もはや金を納めてあげないと編集責任者箭内氏の行く末を危惧してしまうほどの充実っぷりペーパーなのだ。

しかしなぜ今更「風と~』をブログで取り上げるかと言えば、その答えは2月号の表紙&巻頭グラビアがユニコーンだからである。毎号、箭内氏の独断と好みで決められ、表紙を飾る人物によっては入手困難となるらしいこの『風と~』、今回はさすがに争奪戦が展開されると思いきや、2月5日の木曜15時頃、タワレコ横浜店であっさり入手できた。

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インタビューの構成は「音楽以外」のあらゆることらしく、まぁ当たり障りのない話だな。それが他の音楽雑誌にはない味を出しているわけで、ユニコーンの素性が楽しめる。といっても「素」以外ユニコーンというバンドには何もないのだけど。その他、各メンバーが撮った各メンバーの写真が載せられており、どれも楽しそうで微笑ましい。

というわけで、さすがに今となっては2月号の入手は困難と思われるが、ユニコーンファンなら間違いなく押さえておきたい『風と~』の紹介でした。
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